実録不動産トラブル#3 登記を信じると危険!
前回(不動産売買に潜む危険2)で、不動産を買取ってから(所有権取得登記をしてから)の期間が短い不動産は、そこに潜む危険の度合いが大きいという話をした。これは当然売主が所有者として登記されている事が大前提である(登記しない場合=新・中間省略登記の場合についてはまた改めて)。
つまり所有者として登記されているのにその所有権が否定されてしまう場合があるということである。
これはどういう事か。登記されていれば安心なのではないのか。
通常は、登記を疑わずに(登記名義人を所有者として信じて)取引している。それだけ日本の登記制度や司法書士制度への信頼度が高いという事である。
しかし、残念ながら登記制度への信頼は100%ではない。登記を信頼して買った者が必ず保護される(仮に登記名義人が無権利者であったとしても買った者は所有権を有効に取得する)という効力(公信力という)は日本の登記制度にはない。
つまり前号で書いた様な、所有権取得の過程に問題があって、登記上の所有者が権利を取得していなかった(或いは権利を失ってしまった)といった場合、その者から買った者は登記を信じたからといって当然保護される訳ではないのだ。
だから短期保有売買の場合には気を付けなければいけないのである。
つまり短期売買では「真正売買性」の確認作業が必須なのである。
しかし、これを行っている司法書士はむしろ少数派かもしれない。
確かにこれを行わなくても問題が生じないケースが大半であることも事実だ。
だが、これを行わずに事故に会った(代金を払ったのに所有権を取得できなかった)という例は未だに後を絶たないのである(詳しい実例はまた改めて)。
そしてレアケースなだけに真正売買性の確認の方法には難しい問題がある。
それはまた次号!
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