Q2 中間省略登記とは 2009年5月6日執筆

 〜「新・中間省略登記が図解でわかる本」(住宅新報社/2010.4初版第1刷、2015.10第6刷)の原稿より

Q2 中間省略登記とは 2009年5月6日執筆

A2 中間省略登記とは、例えば不動産がA→B→Cと順次売買された場合に、登記をA→Cに直接移転し、Bが登記する事によって負担する税金(登録免許税)を負担せずに済ませるという、不動産流通コスト削減手法である。

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 「登記」とは、目に見えない権利関係や取引関係を「登記簿」という公に公開される場に公示し、目に見えるようにすることにより、様々な経済取引が安全・円滑に行われる事を目的とする、一種の「ディスクロージャー制度」である。

その中で不動産登記制度は、不動産を巡る権利関係(所有権、担保権、用益権等)を公示する事により不動産取引(売買、担保権設定、借地権設定、等々)の安全と円滑を守ることを目的とする。

例えばA氏が自分の所有する不動産をB氏に売却した場合、代金授受・引渡とともに所有権もAからBに移転されるのが通常である。

この場合、一般的に登記上の所有者もAからBに変更される。Bが自分の所有権取得を第三者(例えばAから先に不動産の譲渡を受けたと主張する者や、担保に取ったと主張する者)に対して主張するためには、Bは所有権者としての登記名義を取得する事が必要だからである(対抗要件主義)。登記名義も移転しなければBは完全な所有権を取得したとはいえないのである。

しかし、Bがもともと最終的な所有者になる事を欲しておらず、Cに転売する事を予定していた場合(その動機は様々である)、Bは自己に登記名義を変更する事をせずに、そのままAからCに直接登記名義を変更する事ができれば、B名義に登記する事によって課税される税金(登録免許税)が課税されずに済む。

そこで、B氏は自己に登記名義を変更する登記(所有権移転登記)を省略して直接A氏からC氏に登記名義を変更する手続きが出来ないかと考える。これが「中間省略登記」である。

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しかし元来、「中間省略登記」を申請しても法務局には受付けられない。権利変動(所有権移転など)の過程(A→B→C)を忠実に登記に反映させるという「不動産登記制度の理想」に反するという理由からである。
それにも関わらず、かつて(2005年の新不動産登記法施行以前)は、普通に「中間省略登記が行われていたのである。それはなぜか。



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