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会社法制現代化


1.有限会社が廃止されます!

株式会社と有限会社という2つの会社類型は統合されて、1つの会社類型(株式会社)となります。
ただし、新たな有限会社の設立はできなくなりますが、既存の有限会社については新会社法の施行後も基本的に従前の規律が維持されます。引き続き「有限会社」を商号に使用することも可能です。既存の有限会社について、会社の選択により株式会社に移行するための措置が設けられることになっています。

2.取締役1名だけで会社が作れます!

現行法における株式会社の取締役は3名以上、監査役1名以上が必要ですが、新会社法では、閉鎖会社(株式の譲渡制限に関する規定を置いている会社)であれば、取締役を1名置けば足りることになります。形だけの名目取締役・名目監査役を置く必要がなくなります。ただし、取締役会を置く場合は3人以上の取締役を置く必要があります。
また、現行法において取締役については原則2年、監査役については原則4年とされていた任期が、新会社法においては、定款に定めることによって取締役・監査役ともに最長10年とすることができます。

3.会計参与制度の導入

定款で会計参与を設置する旨を定めることができます。
会計参与は、会計監査人が設置されない中小会社において、取締役と共同して計算書類を作成します。会計参与には、公認会計士(監査法人含む)又は税理士(税理士法人含む)がなることができます。
会計の専門化が関与しているため、計算書類の信頼性が向上することになります。

4.1円会社が恒久化されます!(最低資本金規制の撤廃)

株式会社の設立に際して、現行法商法では原則として最低1千万円の資本金が必要となっています。しかし、新会社法では創業の円滑化という観点から、設立時における出資額について下限額を設けないこととされます。つまり、現在は特例で認められている1円会社が恒久化されることになります。
また、会社設立後に減少することのできる資本金・準備金の額についても、制限が設けられないこととなりました。

5.合同会社(LLC)制度の創設

出資者の有限責任が確保され(社員は会社の債務について責任を負いません)、会社の内部関係については組合的規律が適用される新たな会社類型です(日本版LLC)。
株式会社とは違い、出資者が経営をすることになります(所有と経営の一致)。
また、社員1人での設立・存続も可能となっています。

6.類似商号の調査が不要に!

現行法では、既に他人が登記した商号については、同一の営業を目的として同市町村内では登記できないとされています。そのため、自分の使いたい商号が類似商号にあたってしまうと、その商号では登記できず、泣く泣く第2希望・第3希望の商号を使用することになってしまうこともあります。
しかし、改正会社法においては類似商号規制が撤廃されます。よって、類似商号かどうかの調査も不要となります。また、具体性・明確性が厳格に要求されていた会社の目的についても、包括的な記載を認めるようになります。
ただし、改正会社法においても本店所在地と商号の双方を同一とする会社の登記はできません。

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